Sep 29th 2020
iOS 14はいかにアドテクノロジーの エコシステムに影響を与えるか?
iOS 14に関する連載とモバイル広告業界への影響について、iOS 14の変更が我々に与える影響について論じてきました。
アドテクノロジーのエコシステム全体について考え、我々の学びを本ブログ記事でご紹介します。
Vungleの視点:アドテックエコシステムにとっての真の意味
今後起こる様々な変化は、我々の業界やエンドユーザーにとってプラスと潜在的なマイナスの両方の影響をもたらします。iOS 14では個人データ利用に関する規制が強化されます。ユーザーは自分の個人データがどのように使われているかより敏感になり、より高い透明性を求めている以上、エンドユーザーにとっては個人データがますます重要になります。個人データの利用についてユーザー自身の制御性や透明性が高まることに賛成できない、重要でないと思う人はおそらくいないでしょう。
アドテック業界全体にとっても、この変化はポジティブな変化に繋がります。iOS 14の新しい基準は、多くの点でGoogleやFacebookといった業界のビッグプレイヤーと同じ土俵に立つことができます。iOS 14では、FacebookやGoogleなどのアプリは、ユーザーにオプトインする許可を明示的に求める必要があります。つまり、これらの大企業が収集できるデータが、他のアドテックパートナーも同様に収集できるようになります。iOS 14ではセキュリティもより強固になります。AppleのSKAdnetworkのデータは暗号化されるため、ユーザーのプライバシーを犠牲にすることなく、実際にインストールされたかを確認できるようになります。
これらの変化は我々にとってチャレンジとなります。SKAdNetworkは広告主のパフォーマンス測定に変更を加えます。例えば、キャンペーン通知は、アプリを最初に開いてから少なくとも24時間にネットワークに送信されるため、リアルタイムなデータが制限されます。また、アドネットワークへのポストバックには広告キャンペーンIDを含めることができますが、マッピングできるのは広告ネットワークごとに100個のみとなるため、広告主がデータを分析する手段が大幅に制限されることになります。そしてエンドユーザーの情報が少ないことで広告主が入札額を減らし、CPMの低下につながる可能性があります。広告配信プラットフォームがユーザーの行動や趣向に紐づく情報をあまり持たなくなり、ユニークな広告体験が提供できなくなると、結果的にエンドユーザーにとってあまり関連性のない広告が出てしまうことになります。これらの問題を軽減するため、私たちはコンテクストデータの強みを活用しそれを継続してまいります。
今後数か月間、Vungleは iOS 14をめぐって現在発生している変更の内容と対策をお伝えしてまいります。これらに対し最善の準備をするため、弊社のfacebookページを定期的にご確認ください。このページでは広告主、パブリッシャー、およびアドネットワークがiOS 14に向けてどのように準備しているかを解説しています。