Sep 15th 2020
iOS 14 がアドネットワークに与える影響について
iOS 14に関する4連載ブログのうち過去2つの記事では、広告主とパブリッシャーそれぞれに焦点を当てて解説しました。本ブログは、iOS 14がもたらす変更がアドネットワークにに与える影響に着目し、私たちが現在進めている準備についてご紹介します。
前回のブログでご紹介した通り、Appleが許可する主要なアトリビューションがSKAdNetworkになる現実に広告主とパブリッシャー両者とも備えておくことが賢明です。このことを念頭に、アドネットワークもSKAdNetworkの統合に向けて備えておくことが重要になります。
SKAdNetworkをサポートするためにアドネットワークが行うべきこと
SKAdNetworkの技術的統合の準備の大部分がアドネットワークにあるといえるのは、広告配信からインストール通知、レポーティングひとつひとつに接続する必要があるためです。
アトリビューションの新たなパラダイムは、特定のコードの変更だけではなく、アドネットワークに対するフルスタック実装となります。アドネットワークの広告主とパブリッシャーに影響を与える変更をいくつかご紹介いたします:
- 広告主がキャンペーンを管理するためにネットワークのユーザーインターフェースと対話する方法
- アトリビューションに対しパブリッシャーを適格化させるSDKのSKAdNetwork実装
- 集約およびイベントレベルのSKAdNetworkデータの両方を正しくレポートするためのデータパイプラインの更新
- SKAdNetworkレベルの粒度およびインストールの遅延に対する広告配信アルゴリズムの適応
- 広告主とパブリッシャーに関わる会計における継続性の確保
つまり、AppleのSKAdNetworkへの移行は一夜にして達成できるものではなく、熟慮して実装することが必要です。
VungleがiOS 14にむけて準備していること
ユーザープライバシーに関する懸念が業界で高まっています。Vungleはこれを真剣に受け止めており、純粋なコンテキストベースの広告配信に投資することで、かなり前からIDFAに依存しない環境に向けて準備を進めています。SDKを直接利用することで、ユーザープライバシーを保護しながら状況に応じたデータ信号を収集することができます。データプライバシーと収益化のパフォーマンスは、Vungleが今後も投資し続け、業界最先端を走り続けるための重要な領域です。
特にiOS 14に関しては、SKAdNetworkが最終的に主要なアトリビューション手段となる世界に向け、私たちは準備を進めています。したがって、アーリーアダプターとなる広告主のための初期テストを今後数週間のうちに開始する予定です。
同時に、SKAdNetwork以外でもAppleのプライバシーポリシーに準拠する適切なソリューションを確認すべく、MMPと緊密に協力し取り組みを進めています。
Appleのポリシーには不明な点が多く、SKAdNetworkの仕様にも明確化されていないものがある中で、Vungleのチームは9月以降に予定されている新しい変更を理解し、迅速に対応することを目指しています。
広告主、パブリッシャー、ネットワーク、MMPは、技術および広告と収益化に関わるエコノミクスをうまく適応させるため、協力する必要があります。これは、新たな購入モデル、最適化の手法、または新しいコンテキストデータソースなど、さまざまな方法で実現可能です。iOS 14の素晴らしい新世界に参入するにあたっては、新たな基準とベストプラクティスを見つける必要があります。そしてこのようなチャレンジが、革新をもたらす機会になるでしょう。
シリーズ最終のブログでは、モバイルアドテク業界の変化についての私たちの見解、広告テクノロジーのエコシステム全体が受ける影響についての見通しを紹介します。