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May 10th 2021

ベストなアドクリエイティブを作る

最高なユーザー体験のための方法論

クリエイティブがパフォーマンスする秘密は?

もしこう言ったらどうでしょうか。Vungleは、あるいは海外の有名アプリデベロッパーは効果の良いクリエイティブについて秘密の方法を知っていて、門外不出にしている。

もしかしたら、クリエイティブ戦略にはそういった秘密の方法があると思っている方もいるかもしれません。

私たちは、毎月15000以上も新しくアップロードされるクリエイティブと、そのパフォーマンスを毎日チェックしています。もしそういった秘密の方法があれば、そんな努力も必要ないでしょう。実際には、日々クリエイティブとそのパフォーマンスをチェックし、それに基づいて仮説を立て、クリエイティブを制作し、検証を繰り返し、やっと今日のマーケット全体像に追いついています。

この記事では、そうした最新の研究結果に基づく、どうしたらベストなアドクリエイティブを作れるかの仮説をご紹介したいと思います。

最悪な広告体験とは?

モバイルマーケティング担当の方からよく聞くのはこういったものです。

「多数のビデオを制作したが、どれもスケールしなかった」
「コストをかけたクリエイティブを制作したが、ROASが発生しなかった」
「流行のクリエイティブスタイルを適用したが、効果がなかった」

確かにこれらはマーケティングとして、避けたかった経験だとは思います。でもユーザー側から見るとどうでしょうか?多数のビデオがあることも、どれくらいコストがかかっているかも、流行のクリエイティブスタイルかどうかも、ユーザーには関係がありません。

では、ユーザーにとって最悪な広告体験とはどのようなものでしょうか?

まず、最初から興味がわかない、時間を取られるだけのもの。興味がないので、よりその内容について知ろうとも思わない。結果、その広告をクリックしたり、インストールすることもない。これがユーザーにとって最悪な広告体験であり、広告主にとっても理想的なものではありません。

では、どうやってこれを反転させることができるでしょうか?ここそがクリエイティブの力が発揮される場所です。

ユーザーを理想の状態に導く

まず興味を持ってもらう、そしてアプリの内容とエンゲージしてもらう。結果、アプリをインストールするなどのアクションを起こしてもらう。これが理想です。

ではこれらの行動を引き出すにはどうしたら良いでしょうか?ここでユーザーを4つの状態に導くことが必要です。

  1. 関連付ける
  2. 集中する
  3. 参加する
  4. ワクワクする

これら理想的な4つの状態にユーザーを導くことで、最終的に引き出したい行動へとさらに導くことができるのです。

では次に、それら4つの理想的な状態に導くにはどのようなステップが必要なのでしょうか?ここではユーザーの状態を細かく分けて説明していきます。

  • 関連付けさせるには、ユーザーに注目してもらい、自主的になってもらう。
  • 集中させるには、邪魔されない環境を作る。
  • 参加させるには、何をどうやってするか、理解してもらう。
  • ワクワクさせるには、ユーザーがどれだけ上手にできているか、高いレベルに挑戦していること、高いスキルを持っていることを理解してもらうことが必要です。

ワクワクさせる」部分が少し理解しづらいかもしれません。ご自身がゲームに熱中している時のことを思い出してみてください。時間がすぎるのも忘れるくらい熱中している時、自分がそのゲームの中でどれだけ下手、あるいは上手くできているか直感的に理解しているかもしれません。また、高いスキルレベルで高いチャレンジレベルに挑んでいるかもしれません。そういった状態にユーザーを導くのが、このワクワクさせる部分の目的です。

では、実際に例を見てみましょう。

1. 関連付ける

理想的なユーザーの状態: 注目する

まず、アプリ自体を関連づけてもらうために、広告に注目させる必要があります。

そのための手段の一つは、ユーザーに関連するコンテンツで目を引くことです。

例えばこの例では、パズルゲームが広告主ですが、マンガをベースにしています。日本向けの広告では、エンゲージメントを促進させるため、日本の文化に深く根差したマンガのスタイルを採用しました。

他にも例えば季節に合わせて、ハロウィンやクリスマスのテーマで目を引くこともできます。中国がターゲットであれば、旧正月に合わせた広告も適用できるかもしれません。

あるいは、目を引くだけであれば、実写の映像や写真を使ったり、有名なインフルエンサーを起用したり、「ピンク色にたどり着けたら、法律的にプロだ」などといった意味が一瞬では理解できないテキストを画面上部に配置するのもユーザーに注目させる方法の一つだと言えます。

理想的なユーザーの状態:自主的

ユーザーにアプリを関連づけさせるための、2つ目の状態は自主的にさせることです。自主的に広告を見させる動機を与えます。

この例では「パズルを解いて語彙力を上げよう」というメッセージを用いて、このゲームをプレイすることでの利益を提示しています。こうすることで、語彙力に不安があるかもしれないユーザーが、自主的にその内容を汲み取ろうとします。カジノゲームのウェルカムボーナスであったり、フードデリバリーアプリの初回クーポンなども同じように使えるかもしれません。

また、ここ2、3年で見られる、困った状況にいるキャラクターをパズルを解いて助ける広告も、人道的な感情に訴えてユーザーを自主的にさせる方法です。ストアの高評価レビューや、累計ダウンロード数を社会的な評価として提示するのも効果的かもしれません。あるいは、アプリ、ゲームのスタイル自体が目新しい場合、それ自体がユーザーを自主的にさせるかもしれません。

2. 集中する

理想的なユーザーの状態: 邪魔されない

ここまでのステップで、ユーザーをアプリと関連付けられた状態にしたら、今度はそれを保ち続け、ユーザーを集中させる必要があります。そのためには、余計なノイズでユーザーが邪魔されない環境を作る必要があります。

例えば、アプリ画面をシンプルにする方法があります。通常、画面には操作のためのUIがあり、ゲーム内でわかりやすくするために目立つようになっています。それらは、広告の中でゲームのシステムを伝えるには、必要ありません。実際のスマートフォンの画面に広告が表示されるので、ユーザーが誤ってタップしてしまうことも考えられます。

この例では、各要素を大きくし、背景を簡素なものにしています。

もしUIを取り除くのが難しい場合や、UIも含めて説明したい時には、注目したい要素だけをハイライト表示するのも良いでしょう。

3. 参加する

理想的なユーザーの状態: 何をするか理解している

ここまでの状態にユーザーを導いて、初めてアプリ自体とユーザーとのエンゲージメントを図ることができます。モバイル広告は、ユーザーが実際にそのアプリを使用する画面で広告を体験するので、いわばバーチャル体験をさせているといえるかもしれません。その体験にユーザーを参加させるには、まず何をする必要があるか理解させる必要があります。

このアプリ、あるいはこの広告内で見せていることの目的は何か、明確な目的を見せます。

例えばこのアプリはパズルゲームですが、究極的にはパズルを解くことが目的ではなく、ステージの敵を倒すことが目的です。その目的をテキスト、そして画面をズームすることで見せています。

理想的なユーザーの状態: どうやってするか理解している

また、たとえ目的が分かったとしても、その目的を達成するためにどうやってするか、をユーザーに理解させる必要があります。

最も簡単な方法は、手のイラストを使って実際にどういったインタラクションでゲームが進行するのかを見せる方法です。ただし、ハイパーカジュアルゲームなど、ビジュアルが比較的シンプルなアプリは手のイラストを見せる必要はないかもしれません。

また、手のイラストだけでなく、音声と字幕によるチュートリアルガイダンスも効果的かもしれません。

4. ワクワクする

理想的なユーザーの状態: どれだけ上手にできているか理解している

次に、ユーザーをワクワクさせるために、どれだけ下手、あるいは上手にできているかユーザーに理解させる必要があります。

そのための一番簡単な方法の一つが、視覚的なフィードバックを与えることです。

例えばこの例では、実際のゲームプレイを実写収録したものに編集でフルーツのパーティクルイメージを追加しています。こうした視覚的なフィードバックを与えることで、ユーザーが今、上手くできたのか、あるいは失敗したのかを直感的に理解できます。

パズルゲームであれば、スコアが著しく増えたり、あるいは「Nice!」などのコールアウトを表示するのが良いかもしれません。IQのゲージを表示するのもこの手段の一つといえます。あるいは、キャラクターや実際の人物の驚いたり、喜んだりといったリアクションを入れることも考えられます。

ここ最近トレンドになっている、実際のゲームプレイにプラスして塗り絵など全く違うスタイルのミニゲームを表示する「メタゲーム」もこの一種です。RPGなど、実際のゲームの成功と失敗の基準が見た目ではわかりづらい場合など、一目で分かるゲージの変わりとして、メタゲームが使用されています。

理想的なユーザーの状態: 高レベルに挑戦していることを理解している

ゲームをしていて楽しいと思うの時の一つが、高レベルのチャレンジをクリアした時です。しかし、どのレベルが高レベルかは各個人によって違い、それを視覚的に提示するのも困難です。

そういった場合に有効なのが、失敗を見せる方法です。ゲームの中での失敗を見せることで、まずゲームの目的をより明確にすることができます。そして失敗を見せることで、ユーザーにより良い方法を考えさせる余地を与えます。そうすると、「ああ、こうしたら良いのに」「自分ならこうできる」など、ユーザーには達成可能なのに、広告の中では達成できていない状態を作ることができます。つまり高レベルをクリアできる下地を持っているとユーザーに理解させることができます。

他にも、パズルゲームで「1%の人しかクリアできない」や「これをクリアできるのはIQ150以上の人だけだ」などといったテキストも効果的かもしれません。

理想的なユーザーの状態: 高いスキルを持っていることを理解している

最後に、ユーザーをワクワクさせるために、ユーザー自身がアプリを上手にプレイできるスキルを持っていることを理解させる必要があります。

そのためにはプレイアブル広告を使用し、実際にユーザーにプレイさせることが一番の近道です。

プレイアブル体験はいわばオンザジョブトレーニングのようなもので、ユーザーは自分のペースで、自分のスキルを確認し、アプリの楽しさを発見できます。

ここまで例示してきた方法は、プレイアブル単体の中でも有効です。また、プレイアブルの前にビデオを見せて、アプリをより理解させた上でプレイアブルを提示するとさらに効果的です。

最後のステップ

クリエイティブを使って、これらの状態にユーザーを導くことができれば、ユーザーはあなたのアプリに興味を持ってエンゲージされ、アクションを起こしてくれます。ぜひ、今日ご紹介した方法を試してください。また、今回紹介した方法に囚われず、ご自身のアプリに合わせたベストな方法を見つけてください。

そして最後に、でもとても重要なことですが、CTA(コールトゥーアクション)を忘れないようにしてください。あなたのアプリに興味を持ったユーザーが迷うことがないよう、ビデオやエンドカードにしっかりとダウンロードボタンを表示しましょう。

Vungle Creative Labs では、こうした基礎的なクリエイティブの研究に限らず、最新のクリエイティブトレンドの紹介、クライアントに合わせたクリエイティブの提供、アナリシスなど幅広くサポートをしています。今回ご紹介した内容にご興味がございましたら、ぜひこちらのメールアドレスまでご連絡ください。vcl@vungle.com

渡辺 直翔

渡辺 直翔

APAC Lead, Creative Services, Creative Labs

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